鍵修理業者は最も過酷な仕事

自動車の開錠が特に大変

鍵修理業者の開錠作業の仕事はたったの数分で終わって楽な作業だと思っている人も多いでしょう。
少なくとも私はそう思っていました。
でも、実際に鍵修理業者として働いてみたら、これほどハードな仕事はなかったと思っています。

特に大変なのが自動車の開錠作業です。
インロックされたり、鍵を紛失してしまって、自動車を開けることができなくなった経験は一度くらいあるでしょう。
そのとき、鍵修理業者が活躍するのです。
でも、それが野外であったらとても大変な作業となることもあります。
冬は冬の辛さ、夏には夏の辛さ、昼には昼の辛さ、夜には夜の辛さがあるのです。

たとえば、自動車を駐車する場所といえば野ざらしであったり、地下の駐車場であるケースが多いのです。
どこも冬は寒くて、夏は暑い場所なのです。

夏も冬も過酷

冬にピッキング作業をするとき、寒いと手がかじかんでしまい、なかなか思うようになりません。
さらに、鍵穴を覗くためのスコープを使うこともありますが、曇ってしまうのです。
そうなると、なかなか思うようにピッキング作業を進めることができません。
そのため、想定倍以上の時間がかかることもよくあることなのです。

それは夏でも同様です。
汗で手先が滑りやすくなったり、スコープが蒸気で曇りやすくなってしまって、手間がかかるのです。
そして、夜のケースでは地下の駐車場でも明るさが足らずにライトを照らしながらの作業となって、手間取ります。
一方、昼になると明るいため仕事しやすいと思うかもしれません。
でも、逆に明るすぎて逆光が強くて鍵穴の中が全く見えない状態に陥り、鍵穴の中が見えないため仕事が全く進まないことが多いのです。
昼と夜、どちらが大変かと言えば、意外に思われるでしょうが昼のほうが大変なのです。
そこに雨や風、ときには大雪がかさなると大変を通り超えて過酷です。
1時間ほど(長いときには2〜4時間のときも)ずっと同じ場所にいて細かい作業をするのです。
そのため、真夏でも大雨のときではびしょ濡れになってしまって風邪を引いてしまうことも少なくありません。

大雪のときは体の芯まで冷え切ってしまって、鼻水が凍りながらすることもあり、お風呂のお湯がまさに命の水のように思ってしまうこともあったのです。
そして、どの季節・時間帯でも言えることですが、自動車の開錠では自動車に傷を付けることができないのです。
そのため、細心の注意を払いながら仕事をするため、精神的の疲労は大きいものなのです。

少しでも労わってあげて

このように自動車の開錠作業で大変な経験は鍵修理業者なら誰しも身に覚えがあるでしょう。
大変な作業過ぎて、鍵修理業者のなかには自動車の開錠作業を断ってしまうところも決して少なくありません。
だからこそ、もしも自動車の開錠作業を依頼しようと思っている人は、ぜひ鍵修理業者を少しでも労わってあげてほしいと願っています。
そうすることで、開錠作業もスムーズに進んですぐに自動車に乗れるようになるはずです。