鍵が見つかったケースでは
私は鍵修理業者として20代を過ごしてきましたが、この鍵修理業者というのはよく民事トラブルに巻き込まれやすい職業だといえるでしょう。
その民事トラブルにはいろんなケースがありましたが、そのなかでも一番多かったのが依頼主との料金の支払いです。
特に深夜の緊急出動するときが食わせ者といえるでしょう。
たとえば、「鍵を失くしたから鍵を開けてほしい」といった依頼があって現場へと到着寸前になって「鍵が見つかったからもう来なくていい」と一方的に電話でキャンセルされたこともありました。
でも、鍵修理業者というのはボランティア団体ではなく営利団体です。
出張料金を頂くのは当然のことなので、インターホン越しから請求することもあるのです。
その多くのケースでは支払われずに終わることがほとんどなのです。
深夜に出動させられて、何にも見返りがないのは誰だって腹が立ってしまうでしょう。
警察官に通報・相談しても「出動する前にキャンセル料や出張料の説明をしたのか」と問われます。
しかし、緊急出動で依頼主が困っている最中に、料金の説明などを丁寧にするわけにはいかないものです。
そのため、説明してなかったと答えると「料金を取れなくても仕方がない」といわれて終わりなのです。
鍵修理業者にとっては何とも世知辛い世の中だと言えるでしょう。
仕事をしたのに払われないことも
また、キャンセル料金・出張料金以外にも鍵開けをした後に支払いトラブルになるケースも決して少なくないのです。
依頼を受けて鍵開け作業を終えた後に料金の支払いを請求すると、「今は持ち合わせがないから後日に支払う」「これしか持ってないから」と後日の支払いや一部の支払いを求めるケースがよくあります。
いくら約定書にサインをさせたとしても、その約束を破って支払いを拒否する人が少なからず存在知るのです。
それに対して弁護士に相談したり民事裁判することももちろん可能です。
でも、弁護士にしろ民事裁判にしろ、
それらにかかる資金や労力の負担はこちらが持たなくてはならないのです。
もちろん、当然のことですが1万円前後の料金を取り戻すには割りに合うわけがありません。
そのため断念することがほとんどなのです。
このようなことがあるため、夜間の緊急出動のときは出張料の説明と現金を持ち合わせているかの確認だけはするようにしていました。
たぶん、私だけでなく他の鍵修理業者でも現金払いを基本としているところが多いでしょう。
やはりどこの鍵修理業者も似たようなトラブルに発展するはずです。
そのような支払いトラブルに陥ることの方が少ないのですが、やはり鍵修理業者もなるべくトラブルを避けたいため安全策をとってしまうものです。
そのため、もしも鍵修理業者に緊急出動を依頼するときには、前もって現金を用意しておくべきだと思います。
鍵修理業者も生活をかけて仕事をしているのです。
鍵開けも立派なサービスなのです。
サービスを受ける前に料金を用意することは当然のことかもしれません。