鍵のあふれる社会
ほんの数年前、私は20代では鍵修理業者として働いていました。
鍵修理業者というのは、とても因果な商売だと思います。
なぜならば、修理業者が遭遇する事件というのは、ほとんど鍵開けに絡む依頼だからです。
鍵開けとは、つまり自宅や自動車や金庫の鍵を紛失した人の変わりに鍵を開ける仕事です。
私をはじめほぼ全ての人は、毎日何らかの鍵に触れて生活をしているでしょう。
子供でも共稼ぎのため自宅の鍵を持参していることが多いですし、社会人になれば自宅の鍵だけでなく自動車の鍵・事務所の鍵・金庫の鍵と数多くの鍵を持っていることも多いのです。
ある意味で鍵の数や質によって、ステータスがアップするといっても過言ではないでしょう。
その鍵を商いにしているのが鍵修理業者なのです。
トラブルと鍵は密接
鍵というのは、犯罪者から生命や財産を守るためのアイテムであると同時にプライバシーを守るためのアイテムなのです。
鍵修理業者というのはプライバシーを守っている鍵を開けようと言うのですから、必然的にそのプライバシーに触れてしまう可能性もあるのです。
そのため、いろんなトラブルやアクシデントに見舞われることもありました。
たぶん、私だけでなく他の鍵修理業者にも多かれ少なかれ何らかのトラブル・アクシデントに遭遇したことがあるでしょう。
たとえば、警察官の依頼で警察官の立会いの元で玄関ドアの解錠したことは、一度や二度ではありません。
一人暮らしをしていた容疑者のマンションの鍵を開けたり、音信普通の高齢者世帯のアパートの鍵も開けることもありました。
普通では管理人が鍵も管理していることが多いのですが、なかには管理人に秘密で鍵と錠を取り替えてしまうこともあるので、鍵修理業者の出番となるのです。
その鍵を開錠させて扉を開けると、その先に広がる光景はほとんどのケースで非日常的なものとなっています。
市民を守る仕事です
他にも、鍵を失くしてしまった人の依頼で自宅を開けることとなり、簡単に解錠してしまったことで泥棒の経験があると疑われることも決して少なくありません。
このように鍵修理業者だったころのトラブルやアクシデントを一つ一つ挙げていくとキリがありません。
ある意味では、鍵修理業者で働き続けていけば、他の業種に比べると経験が豊富となることは間違いないでしょう。
でも、はたから見ていると鍵修理業者は楽な商売だと思われることが多いようです。
しかし、上記されたものを読めば分かるとおり、鍵修理業者には鍵修理業者ならではのトラブルやアクシデントがあり、精神的なストレスも受けますし苦労が耐えないものなのです。
鍵開け以外にも鍵・錠の販売・取り替え、セキュリティ対策の指導までして、市民の安全を守っているのです。
だからこそ、もしも今後鍵修理業者に依頼しようと思っている人は、ぜひ鍵修理業者を優しく接してほしいと願っています。
そうしてくれたら、今の鍵修理業者はさらに頑張って市民のために仕事を続けてくれるはずです。