箪笥のトラブルもありました
箪笥って、鍵がかかっているイメージがあんまりないじゃないですか。
僕の家にも箪笥がありますけど、まあ鍵なんてついてません。うちのは安物だから当たり前なんですけどね(笑)。でも、昔の箪笥とか高級な箪笥だと、一部の引き出しにしっかりと鍵がかかっていることがあります。
これは貴重品を入れるスペースってことで、きちんとした箪笥だとわりとついていることがありますね。
うちのおばあちゃんの家にも古くてわりと良い箪笥があるのですが、この箪笥にも鍵がついていました。
おばあちゃんに「この鍵どうしてるの?」と聞いたら、「知らない、なくした」と言っていたので、使ってることはなさそうですけど…。
で、この箪笥の鍵が開かなくなって困ってしまっているという人がわりと多いです。
古い箪笥だと、親子二世代できちんと使えるものも多いです。亡くなった母親から受け継いだ箪笥を、大切に使い続けているという娘さんもいました。でも、こういう箪笥の鍵ってなくしてしまうことも多いんですよね。
そういう事例もいくつか対応しました。
「大事なものだから」が裏目に…
このようなトラブルで多いのが、「大事なものだから鍵がかかるところに入れておいて、その結果なくなってしまった」というもの。たとえば、僕が請け負ったトラブルの中には「中に母の形見の真珠のネックレスを入れておいたら、鍵を無くしてあかなくなってしまった」というのがありました。
なんでも、大変にいいネックレスを遺してくれたそうで、それを大切にするつもりでしっかりしまっておいたら、鍵を紛失してしまったそうです。ただ、その箪笥の鍵はシンプルなもので、頑張れば個人でもどうにか開けられそうではありました。しかし娘さんは「本当に大切な箪笥だから、できれば傷つけないようにしてほしい」ということで、僕たちに依頼してきたようです。
もちろんその場できちんと開けて、今後もきちんと使うことができる様に鍵も作りました。一応スペアも作っておいて、なくしても大丈夫なようにしておきました。
その時に、箪笥の中に入れていたという真珠のネックレスをみせてもらったのですが、まあ大変に美しいネックレスで、僕みたいな素人でも「いいもの」と解るものでしたね。真珠の色がすごく深い色で。
きっと、この人のお母さんは「娘さんに、本当にいいものをと思ってプレゼントをされたんだろうな」と思いました。それを大切にされている娘さんも、素敵な方でしたね。
そんな娘さんの気持ちを大切にすることができて良かったです。
箪笥の依頼は、やっぱり思い出がいっぱい詰まっているものが多かったですね。思い出しても、ホッコリするものが多いと感じます。