酔っ払いの対処法

泥酔した依頼人

酔っ払いというのは、どんな業種でも困ってしまうでしょう。
居酒屋でもタクシーの運転手でも酔っ払いの扱いに困ることが多いはずです。
そして、私が以前働いていた鍵修理業者でも酔っ払いの扱いには困ってしまうものです。
特に、金曜日土曜日の翌日が休みの前の深夜は大変になります。
飲みにいくことが多く酔っ払いが増加します。
さらに、酔っ払って鍵を落としてしまうことが多いので鍵修理業者にとっては性質が悪いものです。

たとえば、大雨が降っていた土曜日の深夜1時の頃に電話がかかってきたのです。
深夜だったので酔っ払いかと思ったのですが、思った以上にしっかりとした話し方でしたが、電話の声の主は依頼者の代理人ということでした。
「代理人の依頼では受けられない」と伝えました。
すると、「本人は隣にいるけど、泥酔しきって話せる状態じゃないんだ」とのことです。
やっぱり酔っ払いか、と心の中で叫んでしまいました。
それでも一応本人に状況や支払い能力を確認する必要があるのです。
その本人が電話に出ましたが、電話からでも酒臭さが伝わってくるような泥酔っぷりが分かります。
本来の依頼主がいうには、鍵を持っているけど差し込んで廻そうとしても廻らないということでした。

そして、支払いについてもお金を持っているということです。
酔っ払い特有の横柄な態度であることは無視して、仕方がなくその依頼を受けることにしました。
こちらも、仕事をして稼がなくてはならないのです。
モチベーションが上がらないまま、雨の中で車を走られて現場に行きました。
そこはマンションのエントランスです。

ディンプルキーはトラブルも多い

オートロックされているため、自分の玄関前に待っていてもマンションに入ることができないのです。
マンションには酔っ払いとそれを世話する人(たぶん最初に電話してきた人)のどちらも30代男性の2人がいました。
さっさと挨拶をすまして、マンションに入って酔っ払いの玄関の前にきました。
そこでまず前払いで料金をもらうことにしたのです。
世話する人がいても酔っ払いは支払いを拒むことも多いからです。

酔っ払いは渋りながらも料金を支払ったので、さっさと仕事を終わらすことにしました。
最近の防犯性の高いディンプルキーというのは、精度が高い反面ゴミやホコリに弱いためトラブルが起こりやすいのです。
今回、鍵が廻らないというトラブルは、このディンプルキーにゴミ・ホコリがあったことでした。
それでも、すぐに直すことができました。
仕事が終わり、すでに料金ももらっています。

そのため、さっさと挨拶を済ませて帰っていきました。
なるべく酔っ払いは不要に話しかけないのが一番なのです。
下手に話をしたら、酔っ払いが絡んできて仕事ができなかったり、帰るのを引きとめようとすることもあり、面倒が増えていくからです。
この鍵修理業者の経験は今でも酔っ払いの対処することで役立たれているように思っています。
業種を変えようともどこの酔っ払いも大した違いがないのです。