引越しシーズンの思い出

鍵修理業者の繁忙期

一年になかで一番忙しい時期(多忙期)というのは、職業によって違うものです。
一般的なサラリーマンでは決算間近の3月末が一番忙しいかもしれません。
蕎麦屋は年末が一番忙しくて、うなぎ屋は土用の丑の日が一番の稼ぎ時だということができるでしょう。
他にもケーキ屋さんではクリスマス、お花屋さんでは彼岸の日が多忙期となります。
このように、時期によって需要も違ってくるので、職業によって多忙期というのが全く違ってくるのは当たり前のことでしょう。

そして、私が以前働いていた鍵修理業者では一年で一番忙しいのが引越しシーズンである2〜4月だった記憶があります。
でも、鍵修理業者と引越しシーズンの関係性が見えない人も多いと思いますが、実際はかなり関係があるのです。

なぜならば、引越しするとき鍵・錠を取り替えようとする人が大勢いらっしゃるからです。
鍵修理業者とありますが、ほとんどの仕事は鍵・錠の販売・取り替えがほとんどなのです。
特に引越しする先の鍵や錠を取り替えようとしている人が多いようです。

引越し時期に忙しくなる理由

なぜ引越し先での鍵や錠を取り替えるのか理解できない人も多いかもしれません。
マンションやアパートでは同じ部屋に何人もの人々が住み替えてきたのです。
その前の住人が管理人に秘密にして鍵の合鍵を作った可能性も否定できません。
そのため、引越し先で鍵や錠を取り替えないままにしておくということは、見ず知らずの第三者が今住んでいる部屋の合鍵を持っている可能性も高いのです。
それを想像したら、あまり気持ちがいいものではありませんし、
そのままではセキュリティーに不安視する人も多いでしょう。

実際に引越し先の前の住人が内密に作っていた合鍵を使って不法侵入したという事件も起こっているのです。
だからこそ、セキュリティー対策として引越し先の鍵・錠を取り替える人が多いのです。
そのため、毎年のように引越しシーズンになると働いていた鍵修理業者は大忙しになりました。
もちろん、私も毎日のように新しく引っ越した住居に足を運んで、鍵・錠の取り替えをしたものです。
多いときには、一日に20件近くもの鍵・錠の取り替えをしたこともありました。
街中を走り回った大変な思いをしたものです。
やはり、20件中15件の依頼主が引っ越してきた人でした。

そして、残りの5件は引越ししたあと、マンションの管理会社でした。
管理会社もまた前の住人の合鍵によるセキュリティーの脆弱さを知っているのでしょう。
セキュリティーを高めてマンションの価値を高めるためにも鍵・錠の取り替えを依頼してきたと先輩がそう推測していました。
このように、鍵修理業者というのは2〜4月の引越しシーズンは多忙期となっているのです。
もしも、鍵修理業者に急ぎではない用事があるときは2〜4月の時期を外して依頼・相談しに訪れるといいと思っています。
業者側も時間のゆとりがあるため、親切に丁寧に対応してくれるようになるはずです。