引越し時にチェックしたい鍵の状態
新居に入るときは、まず渡された鍵の状態をよく確認しておきたいところです。鍵の本数が契約内容と一致しているか、スムーズに回るか、破損や歪みがないかを一つずつ点検するのが基本になります。私が鍵の修理業をしていたときも、受け取った鍵が古くて不具合が出ていた、という相談は少なくありませんでした。
鍵が複数ある場合には、それぞれの動作確認を行っておくと安心です。電子キーやスマートロックであれば、操作方法や電池残量のチェックも必要になります。説明書や管理コードが付属しているかどうかも、事前に確認しておくと後々のトラブルを避けやすいでしょう。
もし異常があれば、すぐに管理会社や大家さんに連絡し、写真を撮って記録を残しておくのが望ましいです。入居直後に確認しておけば、自分の責任にされることもありません。鍵の受け取り時はどうしても荷ほどきや各種手続きに意識が向きがちですが、防犯や契約上のリスクを避けるためにも、最初に丁寧な確認をしておくことが大切です。
鍵の交換が必要なケースとは
鍵の交換が必要かどうかは、防犯面での不安があるかどうかによります。前の入居者が合鍵を持っていた可能性がある場合や、鍵の構造が古く簡単に複製できるタイプだった場合には、交換を検討しましょう。私自身、過去に前の住人の合鍵による侵入被害を聞いたこともありますので、油断は禁物です。
鍵交換の費用については、国土交通省のガイドラインでは「貸主が負担するのが原則」とされています。ただし、契約書に「借主負担」と明記されている場合は、そちらが優先されます。入居者の希望で交換する場合や、故意・過失による破損がある場合も、借主が負担するケースがありますので、契約内容をよく確認しておくことが大切です。
交換を希望する場合は、勝手に行わず、事前に管理会社や大家さんへ連絡して許可を取りましょう。スマートロックのような機器が設置されている場合には、前の利用者のアクセス情報が完全にリセットされているかもチェックポイントです。意外と忘れがちですが、設定を初期化しないと第三者が操作できてしまうリスクがあります。
鍵交換の可否は物件によって異なるため、入居前の確認でひとつ手間をかけておくと、安心して生活をスタートできます。
退去時の鍵返却で気をつけたいこと
引越しのバタバタのなかで、鍵の返却は後回しになりやすい作業です。しかし、退去日以降も鍵を返していなければ、その分の家賃が請求されることもあります。管理会社や貸主によって返却のルールが異なるため、必ず事前に確認しておくことが大切です。
私が対応していたケースでも、合鍵を返し忘れたことで「返却が不完全」と見なされ、家賃や交換費用を請求された例がありました。自分で合鍵を作っていた場合は、それも含めてすべて返却しなければなりません。紛失や破損があるときには、隠さずにすぐ報告しましょう。
立ち会いの有無や返却方法もチェックしておくとスムーズです。鍵は封筒に入れてポストに返却する方法もあれば、直接渡す必要がある場合もあります。返却時には写真を撮って証拠を残しておくと、後のトラブル回避にもつながるでしょう。引越しの最後まで気を抜かず、細かい部分も丁寧に対応することで、余計な出費や揉めごとを防げます。